映画評『バルジ大作戦』圧巻の鉄と鉄のぶつかり合いだがコアな戦車ファンには残念!

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『バルジ大作戦』
原題:Battle of the Bulge
監督:ケン・アナキン
脚本:フィリップ・ヨーダン
   ミルトン・スパーリング
   ジョン・メルソン
音楽:ベンジャミン・フランケル
出演:ヘンリー・フォンダ
   ロバート・ライアン
   チャールズ・ブロンソン
   テリー・サバラス
   ロバート・ショウ

『バルジ大作戦』イントロダクション

第二次世界大戦も末期。

連合軍はすでにノルマンディー上陸作戦も成功を果たし、ヨーロッパ各地でドイツ軍を追い詰めつつあったが、ドイツ軍の予想外の粘りに時代は膠着状態にあった。

カイリー中佐(ヘンリー・フォンダ)は航空機による偵察、地上を写真撮影する任務にあたり、ドイツ軍があらたに攻勢に出てくるつもりであることを確信するが、上層部はカイリー中佐の意見をただの感であるとして取り合おうとしなかった。

いっぽう、ドイツ軍ではへスラー大佐(ロバート・ショウ)が駐屯基地に着任する。

そこでコーラー将軍(ヴェルナー・ペータース)の出迎えを受ける。

コーラー将軍はアメリカ兵の装備・服装をまとわせた特殊部隊を準備し、アメリカ軍に潜入させ、混乱させる計画を立てていた。

楽観的なコーラー将軍に対し、前線を経験してきたへスラー大佐は冷徹な視線を送る。

そのへスラー大佐には、ティーガー戦車大隊を率いてアメリカ軍の戦車部隊と戦う任務が課せられた・・・。

圧巻の鉄と鉄のぶつかり合い『バルジ大作戦』

『バルジ大作戦』とは、「バルジの戦い」という第二次世界大戦末期の1944年12月、ドイツ軍がアメリカ軍に対して大攻勢を仕掛け、激戦となった戦いを描いており、ドイツ軍、アメリカ軍両軍の戦車軍団の鉄と鉄のぶつかり合いが描かれた映画で、いまだに戦車映画としては高評価を得ている作品だ。

やはりみどころはクライマックスのドイツ軍、アメリカ軍の大戦車戦だろう。

画面を埋め尽くす戦車、戦車、戦車。

荒地を進軍する戦車、戦車、戦車。

互いの火砲は次々に火を噴き、時には弾丸は洗車の厚い装甲にはじき返され、また時には弾丸は無常に(あるいは見事に)敵車両を撃破する。

まだCGがなかったころの作品だ。

出てくる戦車はすべて本物の鉄の車両である。

その迫力は別格と言ってもいいし、圧倒的な物量がこの作品の評価を高めているゆえんでもあるだろう。

戦車ファンには残念!『バルジ大作戦』

ところが、この戦車大活躍の戦車映画『バルジ大作戦』だが、戦車ファンにはとても残念な映画でもある。

ドイツ軍の戦車が、一両残らず当時ドイツ軍で使用されていた車両とは似ても似つかないイミテーションだからである。

当時のドイツ軍の代表的な戦車といえばティーガーで、鋭角なデザインで今も戦車ファンには人気が高い。

だが、『バルジ大作戦』が撮影された当時、すでに現役で稼働するティーガーは無かった。

苦肉の策として、代役を立てるしかないわけであるが、これにアメリカ軍のM47パットン戦車が当てられた。

パットン戦車はティーガーとは似ても似つかぬ、曲面でデザインされた、どちらかといえば愛嬌のあるデザインの戦車だ。

映画ではこのパットン戦車に、ドイツ軍の十字マークをペイントしてドイツ軍の戦車に仕立てた。

また、味方であるアメリカ軍のほうはどうかといえば、これまた違う戦車があてがわれている。

M4中戦車として登場するのが、M24軽戦車になってしまっている。

当時の現存、実働する戦車事情もあるし、なにせ一度に登場する数も数であるのはわかるが、それにしてもトホホ・・・。

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