映画評『アバウト・ア・ボーイ』独身生活を楽しむ男が12歳の少年と出会い、友情で結ばれ、人生を見つめなおしていくヒューマン・コメディー

映画 映画評
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『アバウト・ア・ボーイ』
2002年イギリス・アメリカ・フランス・ドイツ
原題:About a Boy
監督:クリス・ワイツ
   ポール・ワイツ
脚本:ピーター・ヘッジズ
   クリス・ワイツ
   ポール・ワイツ
原作:ニック・ホーンビィ
音楽:デーモン・ゴフ
出演:ヒュー・グラント
   ニコラス・ホルツ
   レイチェル・ワッツ
   トニ・コレット
   ヴィクトリア・スマーフィット
   ナタリア・テナ

『アバウト・ア・ボーイ』イントロダクション

ノース・ロンドンに住む36歳のウィル・フリーマン(ヒュー・グラント)は気楽な独身生活を楽しんでいた。

彼の死んだ父が昔ミュージシャンで、クリスマス曲を一曲ヒットさせ、その印税でウィルは気ままに暮らしている。

自分では人生を有意義に過ごしていると思っているが、周りの目はそう甘くはなく、ウィルを精神的には成長していないとみなしている。

その証拠かどうかはわからないが、ウィルは付き合う女性とことごとく2か月以内には別れてしまう。

あるときウィルは、シングルマザーの女性と交際することになる。

結局その女性とも別れることになるが、かつてない気楽さに病みつきとなり、ウィルはシングルマザーの交際相手を探し始める。

息ついたところは、片親がお互いを励ましあうセラピーグループのSPATだった。

2カ月の子供がいると嘘をつき、うまくスージー(ヴィクトリア・スマーフィット)という女性とデートの約束を取り付ける。

しかしデートには、スージーの友人でやはりシングルマザーのフィオナ(トニ・コレット)の息子マーカス(ニコラス・ホルツ)も同伴だった。

このマーカスという少年、母親フィオナは精神的に不安定で、時折急に泣き出す。

マーカスはフィオナの影響で無意識に歌を歌ってしまったり、周りに溶け込めずいたが、フィオナはマーカスが学校でうまくやれているものと思い込んでいる。

そのマーカスとウィルが出会った日、事件は起こった。

フィオナが自殺未遂を犯したのだ。

マーカスは、フィオナと二人ではまたいつかフィオナが自殺未遂を犯した時、助けられないと考え、もう一人の手助けが必要だと思い至る。

そこでマーカスはウィルを頼ることにした・・・。

独身生活を楽しむ男が12歳の少年と出会い、友情で結ばれ、人生を見つめなおしていくヒューマン・コメディー『アバウト・ア・ボーイ』

ヒューグラント演じる主人公・ウィルは亡き父が残したクリスマス・ソングの印税でリッチな独身生活を楽しんでいた。

後腐れなく付き合える恋愛相手としてシングルマザーを探すウィルは、情緒不安定な母親に悩む12歳の少年マーカスと出会い、人生を見つめなおしていく。

レイチェル・ワイズ、トニ・コレットなど実力派俳優も共演するヒューマン・コメディー。

大人ではあるが、心がどこかいびつに成長してしまったウィルは、現代社会に珍しい存在ではなさそうだ。

とにかく仕事もせずとも暮らしていけるし、重い恋愛はしたくない、だが享楽的な人生を過ごしたいのだ。

またマーカス少年もけして少数派とは言えない。

その二人が出会い、お互い人生のすり合わせをしていくことで、ドラマが進んでいく。

時にはつらい局面を迎えるが、なんとかやりくりしながら、マーカスはウィルを頼るし、なんだかんだで残酷になれないウィルはマーカスを見捨てられない。

やがてしかるべきところへ人々は落着していく。

つらくとも何とかなる、教訓めいたところはないが、そう教えてくれる一作だ。

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