『007/美しき獲物たち』
1985年イギリス・アメリカ
原題:A View to a Kill
監督:ジョン・グレン
脚本:リチャード・メイボーム
マイケル・G・ウィルソン
原作:イアン・フレミング
音楽:ジョン・バリー
出演:ロジャー・ムーア
タニア・ロバーツ
クリストファー・ウォーケン
グレース・ジョーンズ
『007/美しき獲物たち』イントロダクション
ソ連、シベリアの雪原でアメリカ製のICチップを持ちだしたエージェント003が遭難した。
その遺体からICチップを回収する任務を帯びた007ことジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)は、シップの回収には成功するがソ連軍に追われ、スキーやスノーボードで逃げる。
ソ連軍に追いつかれそうになったボンドだったが、何とか振り切り、氷河に偽装した小型艦艇で脱出に成功、任務を果たす。
イギリス諜報部に戻ったボンドが持ち帰ったICチップをQ(デズモンド・リュウェリン)が調べたところ、このチップは一般的なICチップではなく、核兵器の爆発の際に発生する電磁波にも耐える特殊なものだった。
このチップを製造しているのはアメリカのゾリン産業で、ソ連への技術流出を危ぶんだ諜報部は、ボンドにゾリン産業の社長マックス・ゾリン(クリストファー・ウォーケン)の内定を命じる。
ゾリンが馬主を務める競走馬が出るということで、競馬観覧に出るボンドは、そこで名士としてふるまうゾリンの姿を確認。
ボンドは次はフランス、パリでゾリンの情報収集を図るが、ゾリンを探っていた探偵が何者かに暗殺されてしまう。
エッフェル塔での追跡劇。
賊はパラシュートからセーヌ川へ、逃がしてしまう。
サラブレッドの競売会にゾリンの馬が出品されているのを知ったボンドは、そこでICチップで制御されたステロイド供給装置を発見する。
調査を進めるうちに、ボンドはゾリンがシリコンバレーを壊滅させて既存のエレクトロニクス業界の転覆を謀っていること、そしてその手段として、地殻の爆破による大地震と大洪水を狙っていることを知り、その阻止に動き出す・・・!
ロジャー・ムーア最後のボンド! デュラン・デュランの主題歌も印象的な80年代テイスト映画『007/美しき獲物たち』
これでロジャー・ムーア演じるジェームズ・ボンドは最後となる。
1970年代から1980年代にかけて3代目ボンドとして息長く活躍したロジャー・ムーアもこのとき57歳。
1983年に『ネバーセイ・ネバーアゲイン』でショーン・コネリーがボンドを演じたときは53歳だったというから、だいぶ頑張ってくれたものだ。
この最高齢ボンドの記録は現在も破られていない。
アクションシーンはほとんどがスタントとはいえ、スキーやスノーモービル、カーチェイスや馬の上での格闘シーン、街中を消防車で駆け抜けるシーン、飛行船にぶら下がる空中スタントから、はてはゴールデンゲートブリッジの欄干上での格闘など、見どころ満載のエンタテイメント映画に仕上がっている。
今回の敵役ゾリンのクリストファー・ウォーケンも、そのキャラを生かしたサイコな演技で存在感抜群だ。
なにせこのゾリン、人を撃ち殺したり、建物に火を放つことを躊躇なくやる。
スーツ姿で自然に悪をこなすクリストファー・ウォーケンはいつも通り驚異すべき敵役にぴったりだ。
主題歌は当時人気絶頂だったデュラン・デュランで、アメリカのビルボード誌では1位を獲得している。
まさに80年代風のシンセ・ロックをきかせてくれる。
日本のオリコン洋楽チャートでも1位を獲得。
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