映画評『陽のあたる場所』貧しい家庭に育ち出世を夢見る野心家の青年が破滅していく姿を通じて、資本主義社会を痛烈に批判した映画史上の名作。

映写機 映画評
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『陽のあたる場所』
1951年アメリカ
原題:A Place in the Sun
監督:ジョージ・スティーヴンス
脚本:マイケル・ウィルソン
   ハリー・ブラウン
原作:セオドア・ドライサー『アメリカの悲劇』
音楽:フランツ・ワックスマン
出演:モンゴメリー・クリフト
   エリザベス・テイラー
   シェリー・ウィンタース
   アン・リヴィア
   レイモンド・バー
   ハーバート・ヘイス
   キャスリン・ギブニー
   シェパード・ストラドウィック

『陽のあたる場所』イントロダクション

母子二人きりの貧しい家庭に育ったジョージ・イーストマン(モンゴメリー・クリフト)は、ホテルでボーイをしていたが、水着製造工場を経営している伯父のチャールズ・イーストマン(ハーバート・ヘイス)に声をかけられ、彼の工場で働くことにした。

伯父の家で社交界の花アンジェラ・ヴィッカース(エリザベス・テイラー)と出会い、彼女に心惹かれるが、住む世界が違うと身分の違いをしみじみと感じる。

ジョージの工場での仕事は梱包のライン作業。

しかしジョージはまじめに仕事に取組み、ライン生産率の向上について提案書を書いたりもしていた。

この工場では社内恋愛が禁止されていたが、ジョージはたまたま街の映画館で出会い、同じ工場で働いていた女性アリス・トリップ(シェリー・ウィンタース)としだいに恋仲になる。

二人は仕事場にばれないように、二人の仲を隠しながら逢瀬を重ねていく。

あるとき、工場を視察に来た伯父がジョージの働きぶりを見て誉める。

そして工場ではなく、もっと良い部署へ昇進させてくれることになった。

また近日中にパーティを開くから来るようにと言われ、ジョージは喜びを隠せなかった。

だがその日はジョージの誕生日で、アリスは二人でお祝いしたいと考えていたという。

落胆するアリスに、早めにパーティから戻ってくる、そのあとで二人で過ごそう、と提案する。

パーティ当日となり、ジョージははじめての社交界に心躍らせながら会場に入る。

そしてそこであのアンジェラ・ヴィッカースをみつけ、改めて心を奪われる。

最初ジョージはアンジェラに近づけもせず、ひとりビリヤードをして過ごす。

すると、そんなジョージに興味を持ったアンジェラがジョージに話しかけてきた。

一気に二人の距離は縮まる。

ジョージは「あった時から好きだった。もしかしたら会う前から好きだった」と告白する。

アンジェラと過ごす時間に夢中になったジョージは、アリスとの約束に大幅に遅れてしまう。

部屋で料理を用意して待ちくたびれたアリスは、泣き寝入りしていた。

やってきたジョージは遅れた言い訳をする。

そんなジョージに、アリスは泣きながらおなかに二人の赤ちゃんがいることを告白する。

だがジョージは、それを聞いて浮かない顔をするのだった・・・。


貧しい家庭に育ち出世を夢見る野心家の青年が破滅していく姿を通じて、資本主義社会を痛烈に批判した映画史上の名作。『陽のあたる場所』

貧乏な家庭で育った主人公ジョージは、伯父が経営している会社で働くことになる。

その職場で出会った女性と交際を始めるジョージだったが、社交界の花アンジェラにも心惹かれていく。

しだいに、自身の出世欲やアンジェラへの憧れから、ジョージは子供を授かった交際相手を殺害しようと計画する。

アカデミー賞監督賞をはじめ、撮影賞、脚色賞、作曲賞、衣装デザイン賞、編集賞の6冠を獲得。

野心家の青年が破滅してく姿を通じて、資本主義社会を痛烈に批判した映画史上の名作。


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