英語学習にはいろいろな方法がありますが、その一つに「音読」があるのはご存知かと思います。
テキストを声に出して読み上げていく学習法です。
実際に声に出すことを恥ずかしがって、「音読学習」をやっていない人はけっこう多いのではないでしょうか。
音読学習はじつは以下の3つの効果をもたらしてくれます。
- 速読力の向上
- 速聴力の向上
- 語彙力の向上
ひとつずつ解説していきますので、「音読」の効果についてぜひ理解して、学習に取り入れてみてください。
1.速読力の向上

日本人が英文を読むのが苦手な原因のひとつは、英語の文章と日本語の文章では言葉の並び方が違うせいです。
英文を日本語に翻訳するには、俗にいう「返り読み」をすることになります。
たとえば、次のような英文があります。
There was one man behind a desk.
「机のうしろに一人の男がいた。」という文章ですが、これを日本語に訳すとき、
①There was(いた) ②one man(一人の男が) ③behind(~のうしろに) ④a desk(机)
と分割し、これを日本語の順番にすると
④机 ③~のうしろに ②一人の男が ①いた
と、まるで文章の後ろから頭に返っていくように読むことになります。
これが「返り読み」です。
これが、「音読」の練習を積み重ねていくと、英語を英語の順番のまま理解できるようになります。
わざわざ帰り読みをしなくても、英文があたまから理解できるようになるのです。
「返り読み」をしなくてすむので、いちいち立ち止まらず次の英文に移っていくことができます。
これが「速読力が向上する」ということなのです。
速読力が身につかなければ、英会話にしても、リスニングのテストにしても、どうしてもある一定のポイントで英語力が足踏みしてしまいます。
英語を英語の語順のままで理解できるようになるには、「音読」の練習が欠かせません。
2.速聴力の向上

「速聴力」、つまり「速く聴く力」ということですが、もう少し詳しく説明すると、「耳にした英語を頭の中で速く理解する力」のことです。
英語に慣れていないうちは、英文を読んでも、まず、単語を一語ずつ理解することしかできません。
熟語のように、数語のカタマリをいっぺんに理解できるようになれば、速聴力が向上します。
たとえば、
He breathed a sigh of relief.(彼は安堵のため息をついた)
という一文を耳にした場合、一語一語を
He(彼は) breathed(吐いた) a(ひとつ) sigh(ため息) of(~の) relief(安堵).
と理解していくのではなく、
He breathed(彼は吐いた) a sigh of relief(安堵のため息を).
のように、もっと大きないくつかのカタマリとして解釈するのです。
これは、「音読」することによって、何度も練習によって習得できるスキルです。
英語にも、「よく出てくるフレーズ」というものがあります。
中学や高校で習う、いわゆる「熟語」はよく出てくるフレーズのうちで、知っていなければ訳が難しい言い回しのことですが、熟語のほかにも、慣用句と言われる、よく使われるフレーズは、英語の中には山ほどあります。
先ほどの
a sigh of relief(安堵のため息)
もそうですし、
かんたんなものだと
Thank you(ありがとう)
How are you(ごきげんいかが)
のような挨拶に使われるものから、
It’s a piece of cake.(朝飯前だよ)
Good for you!(良かったね!)
のように、知っていればすぐにカタマリで聴き取れ、理解できるものがたくさんあります。
これらをすぐに聴き取れるようになるには、「音読」で何度も口に出して練習することです。
3.語彙力の向上

2の速聴力のところでも説明したとおり、英語にはたくさんの熟語、慣用句があります。
それらはただ、そういったものがあることを知っていても、いざというときにすっと口から出てこなければ、身についたとは言えません。
野球で
何度も素振りして、実際に投げられた球を打ち返す練習をして、ようやくヒットが打てるようになるように、英語も何度も口に出して練習してようやく使えるようになるのです。
目で追っただけの黙読よりも、「音読」による学習は、はるかに習得が速く、また、忘れにくいものです。
たくさんの文章を音読することで、ただ黙読するより、たくさんの語彙が身につきやすいのです。
音読学習は総合的な英語力を向上させる学習法
- 速読力の向上
- 速聴力の向上
- 語彙力の向上
と、以上3つの効果がある音読学習ですが、具体的な勉強法もいくつかあります。
ただテキストを読み上げるだけの、それこそ「音読」から、テキストに連動した音声をつかった「リピーティング」や「シャドーイング」などです。
「シャドーイング」についてはこちらの記事もどうぞ!
≫英語しゃべれる?シャドーイングという練習方法
独学で音読の練習をするにはCD音声付きのテキストがおススメです。
「音読」についてはこちらの記事もどうぞ!
≫音読で英語力を上げよう! 音読学習の重要性について&教材10選
テキストを選ぶ際は、難しすぎない、今の自分のレベルに合った教材を選ぶようにしましょう。
せっかく始めた学習が続かなかったら意味がありませんからね。
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