中学、高校と英語を学んでいる中で、「a」と「the」についは、なんとなくスルーしてきてしまった人はいませんか?
「冠詞」という日本語にはない言葉なので、その使い分けがわからないままになっているひとも多いと思います。
今回はそんな「a」と「the」の使い分けが、初心者でもなるべく感覚的にわかるように解説をしてみようと思います。
もくじ
- 「a」と「the」の違いは「one」と「that」に置き換えるとわかる
- 「a」と「the」は注目のニュアンスで使い方が違う
- 「a」と「the」のニュアンスの違いをつかめば文法も楽になる
1.「a」と「the」の違いは「one」と「that」に置き換えるとわかる

「a」と「the」の違いは、それぞれ「a」を「one」に、「the」を「that」に置き換えて考えると、使い分けがわかります。
学校で冠詞の「a」「the」を習うとき、
「a」は、はじめて話題に上った単語につける
「the」は、すでに話題になっている単語につける
と習った記憶がありませんか?
次の例文のなかの〈 〉のなかに「a」か「the」を入れてみましょう。
There is ①〈 〉dog.
②〈 〉 dog is sleeping.
「犬がいる。犬は寝ている」という文章ですが、①には「a」が、②には「the」が入ります。
ニュアンスは「一匹の」犬がいて、「その」犬が寝ている、といった感じです。
最初に話題になった犬に「a」が、同じ犬をもう一度話題に乗せて登場させたときに「the」が使われています。
この「a」と「the」の使い分けがしっくりこないかたは、最初に「a」を「one」に、「the」を「that」に置き換えて考えると使い分けがわかる、と言ったのを思い出してください。
それぞれ「a」を「one」に、「the」を「that」におきかえてもう一度例文を見てみましょう。
There is 〈one〉dog.
〈That〉 dog is sleeping.
「一匹の」犬がいる。
「その」犬は寝ている。
となりますね。
「a」は、たくさんある中で一つにスポットライトを当てて「これッ」という感じ、「the」はそのスポットライトにあたったものをみて、「ああ、それね!」という感じです。
2.「a」と「the」は注目のニュアンスで使い方が違う

皆さんは偉大なロックバンド、ザ・ビートルズをご存知でしょうか。
おっと、この「ビートルズ」には「the」が付きますね。
なぜ「A Beatls」ではないのでしょうか?
「a」と「the」では、じつは注目のされ方が違うのです。
「A Beatls」と言ってしまうと、いろんなビートルズがいる中で、そのなかの一つに過ぎないあるビートルズ、というイメージになってしまいます。
これが「The Beatles」だと、“あの”ビートルズ! みんなが知ってる、ビートルズといえば「あれ」だけ! というニュアンスになるのです。
だから
the earth(地球)
the moon(月)
the sun(太陽)
のように、たった一つしかない、みんなが「ああ、あれね!」と認識しているものには、「the」がつくのです。
最上級にも「the」がつくというルールを学習しましたよね?
これも同じ理由です。
ひとつしかない、「あれだ!」とみんながわかっているものだから、「the」がつくのです。
もう少しニュアンスの説明をしましょう。
①You’re just a man.
②You’re just the man.
この二つを比べたときどのように違うのでしょうか?
①は、「あなたは何でもないただの人です」
②は「あなたしかいない」
というふうに、ニュアンスがぜんぜん違ってくるのです。
これで「a」と「the」が、次に来る単語の注目度をまったく変えてしまうということがわかっていただけたでしょうか。
3.「a」と「the」のニュアンスの違いをつかめば文法も楽になる

the number of ○○「○○の数」
a number of ○○ 「たくさんの○○、いくつかの○○」
上記のような紛らわしい熟語を暗記しようとして、頭の中が混乱した方も多いでしょう。
それも「a」と「the」のニュアンスの違いをつかめば、ただの暗記から解放され、文法も楽になってきます。
「the」は「これこれッ!」と注目させる。
「a」は「たくさんある中の一つに過ぎない」というそれなりな感じをあたえる。
今回は初心者向けということでこれ以上深く踏み込みませんが、以上のようなニュアンスの理解を深めることで、これまで漠然と「どっちだっけ・・・」となっていた「a」と「the」の使い分けが、少しはできるようになると思います。
これから「a」や「the」を見かけたら、その都度考えてみてください。
「これは注目されてる言葉なのかな・・・」
「これはいくつもある中の一つに過ぎないのかな・・・」
しばらくやっていると、ネイティブの使う「a」や「the」のニュアンスがわかってくると思います。
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