発音が苦手なんだけど、大人になってからでもネイティブに通用する発音は身に付くの?
今回はこんな疑問にお答えします。
1.英語発音は大人は身につかない?

日本人の多くは中学、高校で英語の学習に取り組んでいます。
その学習時間は800~1000時間を超えていると言われています。
ですが、多くの日本人は英語に自信がなく、とくに話すことについては苦手意識が強い人が多いです。
その原因は、日本の英語学習が、基本的に受験で必要なもの・・・「読む」「書く」を重視した学習にかたよっており、「聞く」「話す」といった技能は比較的軽視されているからです。
英語の発音を身につけるためには、声に出す学習が必要です。
ネイティブな発音はだいたい3~7才くらいで身につくと言われています。
英語学習の研究者の論文でも、10代後半以降の人間がネイティブと同じ発音を習得するには限界があると言われています。
参考:第二言語習得の限界について‐梶原秀夫
https://www.u-bunkyo.ac.jp/center/library/image/15-30.pdf
では大人になってからでは正しい発音は身につかないのでしょうか?
確かに子供のころと違い、ネイティブの発音を聴いて自然に発音を習得するのは難しいでしょう。
しかし、発音についての論理を学ぶことで、発音の力を伸ばすことは十分可能です。
2.英語発音を本で学ぶ

上記のように、多くの日本人は、発音の学習・練習をしていないために、いわゆる発音が「カタカナ英語」になりがちです。
そんな日本人のために、発音の仕方が解説された本がいくつも本屋さんには並んでいます。
日本人が苦手な発音ポイント、舌や唇の動かし方や英語の発音の仕組みがわかれば、ただネイティブの発音を聴くだけの学習より、ずっと速く発音を上達させることが可能です。
3.英語発音を大人からでも学べる本
英語舌の作り方――じつはネイティブはこう発音していた!(CD book)
「日本人発音で十分」、「文法がしっかりしていれば会話は心配いらない」といった論調も多い中、「かぎりなくネイティブの発音に近づけるためのテクニック」を紹介している本です。
大学で教鞭をとる著者が、授業での学生の反応などを踏まえての効果的な解説。
日本人が苦手な「r」と「l」や「th」、「f」と「v」の発音などもドリル形式で練習することができます。
CD‐ROM付 改訂版 英語の発音パーフェクト学習辞典
学習辞典というだけあって、英語に特有の音声現象をほぼ網羅し、リズム、イントネーション、音の連結など、特に日本人のスピーキングとリスニングで弱点となりやすいポイントを効率的に攻略することができる本です。
ただ、英語の基本がある程度できていないと使いにくい印象があり、やや上級者向けのようです。
※付属CD‐ROMがデータCDなので、音楽用のコンポやデッキでは再生できない場合があるかもしれません。
CD付 日本語で覚えるネイティブの英語発音
いちおう「3週間でマスターできる」的な紹介がされていますが、英語学習は積み重ねが大事ですので、もっと続けましょう(笑)
英語音声学の権威である島岡丘博士の監修。
3週間で母音→子音→それ以外の発音を学ぶという、その習得方法ほか、面白いのは、日本語で発音が近いものを参考にしてしまおう、というもの。
たとえば uncle は「鮟鱇(アンコウ)」、I get off なら「揚げ豆腐」、Canada は「毛穴だ」などなど。
ちょっと違ったアプローチで楽しみたい方はこの本を読んで話のネタにしてもいいかもしれませんね。
CD BOOK バンクーバー 発音の鬼が日本人のためにまとめた ネイティブ発音のコツ33
日英バイリンガルの講師によって分析された33のコツが紹介されています。
can’t と can の発音の違いや、RとLの発音の違いをはじめ、「日本語にはない母音17個」「日本人が苦手な子音10個」「日本語と違う英語のリズム」など5つのSTAGEで日本人が苦手な部分に着目し、解説しています。
英語は5つの口で発音できる!
写真やイラストを使って、英語を発音するときの正しい口の形を学べます。
発音の練習を、「どのような練習をどのような順番で」行えば最も効率的なのか、わかりやすく解説してあります。
母音の解説に重点を置いており、子音については少々物足りないかもしれません。
4.ネイティブには、なれないが

20代にもなってしまうと、もはやネイティブの英語を大量に耳からインプットしても、子供ころのようにはネイティブの発音を身につけることはできません。
しかし、日本語と英語の発音の違いに着目し、意識的に訓練することによって、理論でネイティブの発音に近づけることはできます。
もちろん繰り返しの練習は必要ですが、やみくもに英語を聞き流すより、よほど効果的です。
今回紹介した本のなかからどれか1冊でも手に取ってみて、発音の学習をしてみましょう。
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