書籍『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』働き方・生き方を思想から改革する

ライフシフト 書評
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『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』
著:リンダ・グラットン
  アンドリュー・スコット
訳:池村 千秋

ロンドン・ビジネススクールの教授リンダ・グラットンと同スクール経済学教授アンドリュー・スコット両氏による、次に来るであろう新しい生き方の予想図。

これから人生は長寿化社会となり、100年人生を迎える

これまでの「教育→仕事→引退」という3ステージのロールモデルが変化し、「仕事」のステージが長期化する。

人々は仕事で消耗しないように、改めて教育を受ることや、見分を広め、人的ネットワークを広げることに時間や労力を投資する必要が発生する。

人生が3ステージから、4ステージ、5ステージへと変化していくという。

そしてそれは人が「自分らしい生き方」を獲得するチャンスであり、100年人生がけして厄災ではなく、恩恵となることを述べている。

日本語版の序文が、この本全体の良いまとめになっていたので、ここでさらにそのまとめをしてみたい。

日本は100年ライフの時代

世界保健機構(WHO)によると、日本は世界でも指折りのの長寿国で、どの国よりも平均寿命が長い。

100歳以上のひと(センテナリアン)はすでに6万1千人以上(2016年現在)。

国連の統計によれば、2050年までに日本の100歳以上人口は100万人を突破する見込みということ。

2007年日本で生まれた子供の半分は107年以上生きることが予想されるそうだ。

著者によると今現在50歳未満の日本人は100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいたほうがいい。

日本では、とかく長寿の負の側面が話題にされがちである。

この本では長寿を厄災ではなく、長寿化による恩恵に目を向け、どうすれば個人や家族、企業社会全体の得る恩恵を最も大きくできるかを中心に論じている。



長寿化は社会に一大変革をもたらす。

人々の働き方、教育の在り方が変わるし、結婚の時期や相手、子供を作るタイミングも変わってくる。

これまでのような、過去のロールモデルは役に立たない。

団塊の世代がたどってきたキャリアの道筋や人生の選択が有効だとは、もう限らない。

むしろ違う選択をすることになるし、われわれの子供世代も違う選択・決断をすることになるだろう。

ライフスタイルの常識が変わり始めている。

この本は、読者が長寿を厄災ではなく恩恵にするために、どのように人生を築くべきか考える手引きとなっている。

「若い」「老いている」の概念が変わる

old-age

長寿化を考えるにあたって、高齢者医療や年金といった人生の締めくくりの時期にかかわる問題だけを見るべきではない。

もっと全体像を見るべきである。

長寿化により、老いて衰えて生きる年数が長くなるわけではない。

長く生きられるようになった年月の大半を、健康に、若々しく生きる年月が長くなるのである。

「若い」「老いている」という概念が大きく変わるのだ。

長寿化に備えるには、人生の締めくくりの時期への準備をするだけではなく、人生全体を設計しなおさなければならない。

長寿化時代には、人生の新たなステージがいくつも出現し、新しい生き方が試みられるようになる。

職業生活と家庭生活の両面で、「よい人生」とは何かについて考えを変えることが不可欠になってくる。

人生のステージの変化

これまでの20世紀型の人生は「教育→仕事→引退」という3つのステージの生き方だった。

だが寿命が延びれば二番目の「仕事」のステージが長くなる。

引退年齢が70~80歳になり、長い期間働くようになるのだ。

20年余計に働かなければならないと想像するだけでぞっとする人もいるだろう。

当然不安も沸いてくる。

そうした不安に突き動かされて、3ステージの生き方が当たり前だった時代は終わりを迎える。

人々は、生涯にもっと多くのステージを経験するようになる。

たとえば、選択肢を狭めずに幅広い進路を検討する「エクスプローラー(探検者)」のステージ。

また、自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす「インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)」のステージ。

さまざまな仕事や活動に同時並行で携わる「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを実践する人も出てくるだろう。

選択肢が増えれば、ひとびとはもっと自分らしい人生の道筋を描くようになる。

同世代の人たちが、同時に同じキャリアの選択を行うという常識は、過去のものになっていく。

長寿化を恩恵にするために

社会が人生の新しいステージを受け入れるためには、乗り越えなければならない壁がある。

旧態依然とした国の制度や、人々の固定観念、変化を望まない企業の体質などである。

残念ながら日本では、歴史的に起業は好ましいキャリアの選択とはまだ、多くの場合考えられていない。

日本では職を持つ女性の割合がちいさい。

日本では女性の70%が第一子出産と同時に職を辞めているというデータがある。

これでは男性が一家の稼ぎ手として大きな重圧にさらされざるを得ない。

女性が家計に貢献する余地も限定される。

こういった昔ながらの家族形態は長寿化時代には適さない。

長寿化を恩恵にするためには、古い働き方に疑問を投げかけ、実験することをいとわず、生涯を通じて「変身」を続ける覚悟を持たなければならない。

いま30歳未満のひとは、じっくり時間を取ってさまざまなキャリアの選択肢を検討し、世界について学び、労働市場の未来をよく理解したほうがいい。

古い家族形態にとらわれず、平等性と対等な貢献を重んじた関係を未来のパートナーとじっくり話し合うべきでもある。

人的ネットワークも広げたい。

人生が長くなれば、人生の途中で変身を遂げることが不可欠になる。

それを実践するには、自分について知ること、自分とは大きく異なるロールモデルと接することが重要だ。

40~50代の人たちは、職業人生があと25年続く可能性が高いと考えるべきだ。

これからの時代はスキルの価値が瞬く間に変わる。

だから新しいスキルの習得に力を入れなければならない。

60歳以上の人たちは、新しい機会が開ける半面、若いころ想像していたより長い間働き、収入を得る必要が出てくる。

若者たちのメンターやコーチ、サポーターを務めることが主たる役割になるかもしれない。

若い世代のロールモデルとなり、生き方の指針を示せる可能性もある。

余暇の使い方がレクリエーションから自分をリ・クリエーション(再創造)することに変わる。

長寿化が進めば、それに合わせて時間の再構成が始まる。

産業革命で3ステージの時間の使い方が生まれたように、今度は新しいステージの出現により社会変化の潮流が強まる。

人々は多様な働き方と生き方を選べるようになり、それが100年ライフの果実を生むのだ。

『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』
目次
序章  100年ライフ
第1章 長い生涯
第2章 過去の資金計画
第3章 雇用の未来
第4章 見えない「資産」
第5章 新しいシナリオ
第6章 新しいステージ
第7章 新しいお金の考え方
第8章 新しい時間の使い方
第9章 未来の人間関係
終章  変革への課題

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